「2人の気持ちはよくわかった。アルフレッド殿の求婚を受け入れるためにも、やはりマリアーナは一度国にもどろう。そこで王女としての地位を明確にすれば、2人の未来は明るくなる」

「グリージア国王には、私の想いは伝えてある。マリアーナの身分が曖昧なままでは難しいだろうが、王女としての認められたなら、問題はないと。むしろ、陛下も王妃も……私の姉上までも、マリアーナのことは気にいっているから、なんとしても逃すなと言われたほどだ」

アルフレッドと私の過去を知っている面々は、なんとも言えない表情になったけれど、事情を知らないユリウスは、グリージア王家の反応にずいぶん気を良くしたようだ。妹がその人柄で受け入れられたのだと。




それから数日後、マリアーナを連れたシュトラスの一行は、グリージアを後にした。
国と国との距離がありすぎるため、通信手段として、サンミリガンから何人かの鳥の獣人が派遣されることになっている。それによって、両国のやりとりは、より迅速により確実に進められるはずだ。
2国どころか、3国の同盟が結ばれるのも、そう遠くない未来のことだと、水晶も保証した。