「他国のことに口を出すことが良いとは思わないが……あえて言わせて欲しい。あくまで、私の考えだが、マリアーナはシュトラスに帰るべきだ」
きっぱり言い切ったアルフレッドに、まるで裏切るのかとでもいうような視線を向けてしまう。マリアーナもわずかに目を見開いて、戸惑っている。
「シュトラス国王とのわだかまりを解いて、公の場で王女としての立場を、正式に認められるべきだ」
「わ、私が皆さんといることは、そ、それほどまでに迷惑だったので、しょうか」
震える声でなんとか声を上げたマリアーナの肩に、アルフレッドが手を置いた。そのまま彼女の体を自分へと向けさせる。
「違うぞ、マリアーナ。マリアーナの王女としての地位が確立されなければ、いくら自由な結婚を許しているグリージア国王も、私があなたに求婚することを許可してくれないだろう」
「え……」
そ、それって……
ちらりとルーカスを見ると、ニヤリと口の端を上げた。
「やっとか、ヘタレ王太子」
「ヘタレとはなんだ。ストーカー王子」
「俺はこれでやっと、心置きなくライラを愛でられるな」
相変わらず口の悪いやりとりに、誰もついていけてない。
「ルーカス、どういうこと?」
尋ねるべき相手がわからず、とりあえず訳知り顔のルーカスに声をかけた。
「なんだ、ライラ。気付いてなかったのか?最近、俺がライラに絡み付いても、アルフレッドのヤツの文句が、あまり飛んでこなかっただろ?」
言われてみれば……そうだったかも。でもそれは、彼がマリアーナを気にかけていたこともあって……
「こいつ、ヨエルの代わりにマリアーナを見守っ……」
「ルーカス、ストップだ。人の気持ちを勝手に代弁しないでもらおうか」
「ああ、すまん」
〝じゃあ、どうぞ〟というように、ルーカスがアルフレッドに手を振って促す。その様子をおもしろそうに見つめるドリーとローラ。興味津々の私。揶揄うようなルーカス。
きっぱり言い切ったアルフレッドに、まるで裏切るのかとでもいうような視線を向けてしまう。マリアーナもわずかに目を見開いて、戸惑っている。
「シュトラス国王とのわだかまりを解いて、公の場で王女としての立場を、正式に認められるべきだ」
「わ、私が皆さんといることは、そ、それほどまでに迷惑だったので、しょうか」
震える声でなんとか声を上げたマリアーナの肩に、アルフレッドが手を置いた。そのまま彼女の体を自分へと向けさせる。
「違うぞ、マリアーナ。マリアーナの王女としての地位が確立されなければ、いくら自由な結婚を許しているグリージア国王も、私があなたに求婚することを許可してくれないだろう」
「え……」
そ、それって……
ちらりとルーカスを見ると、ニヤリと口の端を上げた。
「やっとか、ヘタレ王太子」
「ヘタレとはなんだ。ストーカー王子」
「俺はこれでやっと、心置きなくライラを愛でられるな」
相変わらず口の悪いやりとりに、誰もついていけてない。
「ルーカス、どういうこと?」
尋ねるべき相手がわからず、とりあえず訳知り顔のルーカスに声をかけた。
「なんだ、ライラ。気付いてなかったのか?最近、俺がライラに絡み付いても、アルフレッドのヤツの文句が、あまり飛んでこなかっただろ?」
言われてみれば……そうだったかも。でもそれは、彼がマリアーナを気にかけていたこともあって……
「こいつ、ヨエルの代わりにマリアーナを見守っ……」
「ルーカス、ストップだ。人の気持ちを勝手に代弁しないでもらおうか」
「ああ、すまん」
〝じゃあ、どうぞ〟というように、ルーカスがアルフレッドに手を振って促す。その様子をおもしろそうに見つめるドリーとローラ。興味津々の私。揶揄うようなルーカス。


