「後を追わせると同時に、マリアーナが間違いなく父上と母上の実子だとする証拠を集め、父上を説得した。そもそも、そんなことは疑う前に少し調べればわかることだったんだ。ヨエルの出自や、その家系を遡っていけばな。母上の家系では、何世代かごとに突発的に違う〝色〟が発現していたことは、すぐにわかった」
マリアーナはもちろんのこと、ヨエルも、そのせいでずいぶん苦しんでいたはずだと、ユリウスは切なげな顔をした。おそらく、幼い頃いつもそばにいたヨエルに、彼は深い信頼を寄せていたのだろう。
「その遺伝の事実と、母上には常に他人の目があったことを、父上に何度も話して聞かせた。すぐには受け入れられなかった父上も、最後はその通りだと認めたよ」
ユリウスもまた、カレルヴォは初めからわかっていたと思うと言う。きっと、心が追いつかなかったのだと。
「父上も落ち着いて、私自身も捜索に乗り出そうと思っていた頃、シュトラスにヨエルが現れた。一瞬、頭の中が真っ白になったよ」
マリアーナを伴わないヨエルを見て、彼女にななかあったのかと、絶望しそうになったユリウス。しかし、話を聞けばマリアーナは信頼できる人の元に預けてきたという。
「ヨエルの話を聞いて、私はすぐにピンときたわよ。マリアーナはドリーの宿屋にいるって。でも、私達が追ってることに気付いて、マリアーナはグリージアに移動してしまったけどね」
なにぶん、シュトラスからは距離がありすぎて、いくらハーピーがいても、情報のやりとりにがずいぶん困難だったようだ。マリアーナが緩衝地帯にいるうちに、ローラと連絡が取れていれば、ここまでの大事にはなっていなかったはず。
「ローラの知っているところならと、ひとまず安堵した。すぐに迎えに行こうと、とりあえず父上の補佐をヨエルに押し付けてきた」
「は?」
「え?」
アルフレッドとマリアーナの声と、ついでに言えば他何人かの心の声が重なった。
マリアーナはもちろんのこと、ヨエルも、そのせいでずいぶん苦しんでいたはずだと、ユリウスは切なげな顔をした。おそらく、幼い頃いつもそばにいたヨエルに、彼は深い信頼を寄せていたのだろう。
「その遺伝の事実と、母上には常に他人の目があったことを、父上に何度も話して聞かせた。すぐには受け入れられなかった父上も、最後はその通りだと認めたよ」
ユリウスもまた、カレルヴォは初めからわかっていたと思うと言う。きっと、心が追いつかなかったのだと。
「父上も落ち着いて、私自身も捜索に乗り出そうと思っていた頃、シュトラスにヨエルが現れた。一瞬、頭の中が真っ白になったよ」
マリアーナを伴わないヨエルを見て、彼女にななかあったのかと、絶望しそうになったユリウス。しかし、話を聞けばマリアーナは信頼できる人の元に預けてきたという。
「ヨエルの話を聞いて、私はすぐにピンときたわよ。マリアーナはドリーの宿屋にいるって。でも、私達が追ってることに気付いて、マリアーナはグリージアに移動してしまったけどね」
なにぶん、シュトラスからは距離がありすぎて、いくらハーピーがいても、情報のやりとりにがずいぶん困難だったようだ。マリアーナが緩衝地帯にいるうちに、ローラと連絡が取れていれば、ここまでの大事にはなっていなかったはず。
「ローラの知っているところならと、ひとまず安堵した。すぐに迎えに行こうと、とりあえず父上の補佐をヨエルに押し付けてきた」
「は?」
「え?」
アルフレッドとマリアーナの声と、ついでに言えば他何人かの心の声が重なった。


