占いお宿II 新たな契りを結ぶ時

「ハーピーについては、私のせいなの。アレらのせいで怪我をした人もいたって聞いたわ。本当にごめんなさい。私が契約していたハーピーは、元々2匹だけだったの。ユリウスがマリアーナを探して欲しいっていうから、占いやハーピーを使って追ったのよ。あの子達、ああ見えてなかなか優秀なのよ」

〝あの子達〟というには、可愛さからは遠いところにいる生き物だと感じたけど……けれど、確かに五感に優れた獣人を避けて回ったり、確実にマリアーナにたどり着いり、結果は出している。

「でね、その2匹を大切にする私を見て、自分も自分もって、たくさんのハーピーが集まってしまったの」

…………

全員が言葉を失ったのは、当然だと思う。
ハーピーって、そんな生き物だった?まるで、遊んでくれる大人に群がる子どものようだ。
とはいえ、外見に可愛らしさは微塵もない生き物だけど。

「やばいって思って。そういえばここはドリーのいる場所だから、その北には魔女の国、マージュミアルがあるって思い出して、ハーピー達を扇動したの。ご褒美をくれそうな魔女がたくさんいるわよって」

〝へへへ〟じゃない!!と、となりに座るドリーがローラを小突く。どうやらローラは、少し言動が軽く、ついでにノリも軽い人物のようだ。

「もう、ハーピーの心配はないんだな?」

アルフレッドが念を押すように聞く。

「ええ。全員マージュミアルに向かったわ。ごめんね。あの子達、私に褒めてもらいたい一心で、頼んだ仕事以上のことをしちゃって」

なんて迷惑な話だ。追われるこちらは、命の危機を感じるほどだったというのに。アドルフが不憫すぎる。