「とりあえず、落ち着きましょう」
アルフレッドに宥められながら、隣の部屋へ向かう。ここからは、全員で席に着くことになった。
「まずは、改めて、それぞれの紹介からだな」
と切り出したアルフレッドに従って、順に名乗っていく。
「シュトラス王国のユリウスだ。そこにいる、マリアーナの実兄だ」
苦々しい視線をアルフレッドに向ける。理由は一つ。妹であるマリアーナが、自分ではなく、アルフレッドの横に座ったから。ここ数日の間に、マリアーナはすっかりアルフレッドに気を許し、信頼しているようだ。
私とルーカスも名乗ると、ユリウスはこれまでのことを聞いていたのか、〝妹が世話になった〟と伝えてきた。
そして、さっきから気になって仕方がなかったのが、ドリーの隣に座っている女性の存在。
「私はドリーの義娘で、魔女のローラよ。今回のことは、元はといえば私のせいでもあるの。本当にごめんなさい」
潔く謝罪したのはいいけれど、話を聞かされていない私達は状況が掴みきれない。一体、なにがどうしたというのか?
「一つずつ追って、双方の認識を一致させよう」
「ま、待ってください」
アルフレッドの仕切りを遮ったマリアーナは、緊張からか、声が上ずっている。
「ヨエルは?ヨエルはどうなったんです?」
彼女にとって、ヨエルの存在は想像以上に大きい。なによりもその安否を気にかけていた。
「マリアーナ、ヨエルはシュトラスにいる。大丈夫だ」
「本当に?」
「ああ」
ユリウスが言うのなら、その通りなのだろう。
「じゃあまず、マリアーナを取り巻く、幼少期の状況と、鑑賞地達にたどり着いたところまでの認識だが、そこは知っている通りだった。問題は、こうしてシュトラスの王太子であるユリウス殿が、マリアーナを追ってはるばるグリージアまでやってきた事情だな。ついでに、ハーピーのことと」
「それについては、私が説明するわ」
声を上げたローラに対して、アルフレッドもユリウスも同意した。
アルフレッドに宥められながら、隣の部屋へ向かう。ここからは、全員で席に着くことになった。
「まずは、改めて、それぞれの紹介からだな」
と切り出したアルフレッドに従って、順に名乗っていく。
「シュトラス王国のユリウスだ。そこにいる、マリアーナの実兄だ」
苦々しい視線をアルフレッドに向ける。理由は一つ。妹であるマリアーナが、自分ではなく、アルフレッドの横に座ったから。ここ数日の間に、マリアーナはすっかりアルフレッドに気を許し、信頼しているようだ。
私とルーカスも名乗ると、ユリウスはこれまでのことを聞いていたのか、〝妹が世話になった〟と伝えてきた。
そして、さっきから気になって仕方がなかったのが、ドリーの隣に座っている女性の存在。
「私はドリーの義娘で、魔女のローラよ。今回のことは、元はといえば私のせいでもあるの。本当にごめんなさい」
潔く謝罪したのはいいけれど、話を聞かされていない私達は状況が掴みきれない。一体、なにがどうしたというのか?
「一つずつ追って、双方の認識を一致させよう」
「ま、待ってください」
アルフレッドの仕切りを遮ったマリアーナは、緊張からか、声が上ずっている。
「ヨエルは?ヨエルはどうなったんです?」
彼女にとって、ヨエルの存在は想像以上に大きい。なによりもその安否を気にかけていた。
「マリアーナ、ヨエルはシュトラスにいる。大丈夫だ」
「本当に?」
「ああ」
ユリウスが言うのなら、その通りなのだろう。
「じゃあまず、マリアーナを取り巻く、幼少期の状況と、鑑賞地達にたどり着いたところまでの認識だが、そこは知っている通りだった。問題は、こうしてシュトラスの王太子であるユリウス殿が、マリアーナを追ってはるばるグリージアまでやってきた事情だな。ついでに、ハーピーのことと」
「それについては、私が説明するわ」
声を上げたローラに対して、アルフレッドもユリウスも同意した。


