再びガチャリと開いた扉に、3人の視線が向く。話は終わったのだろうか?それとも、また誰かが呼ばれるのだろうか?
「とにかく、マリアーナに会わせてください!!」
扉の向こうで、若い男性の声が聞こえてくる。名前を言われたマリアーナは、ぎゅっと身を縮こませた。
「お待ちください、ユリウス殿。今お連れしますから」
ユリウス?思わず3人で目を合わせた。シュトラスの王太子が、自ら来ているというの?
「マリアーナ様、ルーカス様、ライラ様、と、うわっ……」
呼びに来た従者の肩を掴んでよけて、強引に姿を現したのは、ブラウンの艶のある髪に、それよりも濃いブラウンの瞳を持った青年だった。
「マリアーナ!!」
「……ユリウス、お兄様?」
ずんずんと近付いてきた青年は、その勢いのまま、マリアーナをガバリと抱きしめた。
「ああ、そうだ。ずっとマリアーナを探していた。元気でいてくれて、本当によかった」
「あっ、えっと……」
どう反応したらよいのか……マリアーナを含めて、3人の目が行ったり来たりする。状況が、全くわからない。
「ユリウス殿。ご安心されましたか?マリアーナも驚いていますから、一旦落ち着いてください」
珍しく弱りきった表情をしたアルフレッドが、声をかける。
「ちょっと待て。なんであなたが、私の妹をそのような呼び方で?」
「お、お兄様、お待ちください。アルフレッド様は、私に本当によくしてくださって、保護者というか、あ、兄のように見守ってくださって……って、そうだ、ヨエルは?1人でシュトラスに向かって以来、なんの連絡もなくて……」
じわりと瞳に涙を浮かべるマリアーナに、それまでのユリウスの勢が萎んでいく。
「え?あっ、う、うん……」
もう、ぐちゃぐちゃだ。
ヨエルを思って涙を浮かべるマリアーナ。興奮して大きな声を出したかと思えば、途端に狼狽出すユリウス。2人を諌めようとするアルフレッドに、下手に手を出せずにハラハラしている従者達。
ポカンとする私とルーカスに、どこか楽しんでいる様子のドリーと、同じような様子の若い女性。
「とにかく、マリアーナに会わせてください!!」
扉の向こうで、若い男性の声が聞こえてくる。名前を言われたマリアーナは、ぎゅっと身を縮こませた。
「お待ちください、ユリウス殿。今お連れしますから」
ユリウス?思わず3人で目を合わせた。シュトラスの王太子が、自ら来ているというの?
「マリアーナ様、ルーカス様、ライラ様、と、うわっ……」
呼びに来た従者の肩を掴んでよけて、強引に姿を現したのは、ブラウンの艶のある髪に、それよりも濃いブラウンの瞳を持った青年だった。
「マリアーナ!!」
「……ユリウス、お兄様?」
ずんずんと近付いてきた青年は、その勢いのまま、マリアーナをガバリと抱きしめた。
「ああ、そうだ。ずっとマリアーナを探していた。元気でいてくれて、本当によかった」
「あっ、えっと……」
どう反応したらよいのか……マリアーナを含めて、3人の目が行ったり来たりする。状況が、全くわからない。
「ユリウス殿。ご安心されましたか?マリアーナも驚いていますから、一旦落ち着いてください」
珍しく弱りきった表情をしたアルフレッドが、声をかける。
「ちょっと待て。なんであなたが、私の妹をそのような呼び方で?」
「お、お兄様、お待ちください。アルフレッド様は、私に本当によくしてくださって、保護者というか、あ、兄のように見守ってくださって……って、そうだ、ヨエルは?1人でシュトラスに向かって以来、なんの連絡もなくて……」
じわりと瞳に涙を浮かべるマリアーナに、それまでのユリウスの勢が萎んでいく。
「え?あっ、う、うん……」
もう、ぐちゃぐちゃだ。
ヨエルを思って涙を浮かべるマリアーナ。興奮して大きな声を出したかと思えば、途端に狼狽出すユリウス。2人を諌めようとするアルフレッドに、下手に手を出せずにハラハラしている従者達。
ポカンとする私とルーカスに、どこか楽しんでいる様子のドリーと、同じような様子の若い女性。


