占いお宿II 新たな契りを結ぶ時

なんとも重苦しい昼食を終えて少しした頃、シュトラスからの客人が到着したと知らせが入った。とりあえず、アルフレッドが対応することになっている。その間私達は、隣の部屋で待機することになった。
マリアーナの手を握る私の隣にルーガスが寄り添って、腰を抱き寄せてくる。彼もまた、緊張しているのだろうか？ドリーだけがいつも通り、ソファに座ってくつろいでいる。

アルフレッド達のやりとりは、残念ながら聞こえてこない。けれど、とりあえず静かなようだし、危ないことにはなっていなさそうだ。



「ドリー様。こちらへお願いします」

しばらくしてアルフレッドが寄越した従者が、意外にもマリアーナではなくドリーを呼んだ。ここでドリーが呼ばれる理由は一体……

ドリー自身は、心配するなという視線を私達に向けて、隣の部屋へ向かっていった。

「なんでドリーさんなんでしょう？」

マリアーナの呟きももっともだ。あの時のドリーの発言を聞いていない彼女は、シュトラスとドリーのつながりなんて、全く予想できないのだろう。

「私達も先日聞いたんだけどね、シュトラスに関わっていた、マリアーナの色を変えた魔女っていうのがね、もしかしたらドリーの娘かもしれないの」

「え？」

「ドリーも絶対とは言ってないの。ただ、色を変えるのは、娘のローラが得意としていたって」

「そう、ですか……シュトラスの一行が、よくない訪問でなければいいのですが……」

「そうね」