「ルーカス様!!」

その時、外からアドルフが飛び込んできた。

「どうした?」

「ルーカス様、西の方から多数のハーピーが飛来していると情報が入りました」

「なんだって!?」

まさか、シュトラスが襲来してくるとでもいうのだろうか?

「ハーピー達がこの辺りにたどり着くまで、もう数日かかると思われます。それから合わせてシュトラスからこの大陸に向けて船が出港しているとの知らせも。まだ真偽の程は明ではありませんが。陛下より、グリージアと連携してすぐ対応するようにと。それから、陛下の指示で
西の国境の守りは固めました」

船で堂々と出港したとなれば、これまでの侵入者とは違って、公式の訪問となるのだろうか……

「アドルフ。すまないが、ジャレットにグリージア城に向かうよう伝えてくれ。俺も今から向かう」

「わかりました」 

再びアドルフが飛び立っていくのを見送ると、ルーカスが早速行動をする。

「わしも、行くとするかな」

「ドリー?」

「もちろん、ライラもだぞ。王女様を助けに行くとするか」


こうして、森のお宿はしばらくお休みにして、そろってグリージア城へ向かうことになった」