占いお宿II 新たな契りを結ぶ時

それから2日ほどして、アルフレッド達が無事にグリージア城へ到着した知らせが届いた。

「とりあえず、一安心だな」

休憩時間の食堂には、私とルーカスとジャレット、ドリーが集まっていた。
めちゃくちゃ真剣な、ううん、深刻な雰囲気なんだけど、その直前ちょっとしたいざこざがあった。
休憩時間ならと、私を自身の足の間に座らせようとしたルーカス。もがく私をおもしろがって見てくるドリーと、主人を応援するジャレット。ちっとも休まらない!!と、なんとか逃げ出したものの、ルーカスの横に座らされ、足が触れるほどピタリとくっつかれた。さらに、時折髪を撫でてくる。真面目に話してるんだけどと睨むも、真面目に愛でてるだけだからきにするなと……もう、なにも言うまい。

「ですが、根本の解決には至ってないです」

ジャレットの言葉に、全員が頷いた。

「マリアーナが王女だと、シュトラス王国が公表した場合だな。まあ、幸い国と国との距離があるから、すぐにどうかなるとも思えないが……気になるのは、彼女を追う理由と、ハーピーの存在だな。ハーピーのようなヤツらを取り込んでいるとしたら、距離のことはさほど関係ない。空から仕掛けてくることも考えられるし、他の生き物を取り込んでけしかけてくる可能性もある」

「えっと……ハーピーって、どんな存在なのかしら?」

正直、名前と半鳥半人だということしか知らない。

「ハーピーは……」

意外にも、話し出したのはドリーだった。まあ、彼女が魔女であることを考えれば、不思議ではないのかもしれないけど。

「顔は人、体は鳥。知っての通り、自由に飛ぶことができる。が、知能はそこまで高くないうえに、気性が激しい。まあ、魔女としては簡単に操ることができる生き物だな」

「操るっていうのは?」

以前、魔女だった頃のミランダが、香草を使って獣人を操っていた時、それは禁忌だって言っていたはず。相手がハーピーならよいというのだろうか?