「あなたの部屋で、ジャレットと2人で話して時よ。確か、〝本来の姿にもどれないというのも、なかなか辛いものだ〟だったかしら?そのせいもあって、あなたはジャレットに、ここで待機するように言われてた」
「うっ……そ、それは……」
「あの時私、ジャレットに頼まれてお茶を届けようとしたの。でも、扉の外でそんな言葉を聞いてしまって、なんだか顔を合わせ辛くなって引き返したのよ。すっかり忘れてたけど、あなた、あの時私が外にいるってわかってたでしょ?だって、獣人さんなんだもの」
「……」
「わざと聞かせたのね?」
「……ごめん。確かに、ライラの存在に気付いていた。でも、嘘は一言も言っていない。姿を変えられない自分がすごく無力で、自信も持てなくて、それで、焦って……そ、それに、番が目の前にいるのに、呪いのかかった体では番うこともできなくて……」
「それは……でも、わざと聞かせて、揺さぶるようなことを……」
「ライラ!!」
再び、ガバリと抱き付かれてしまう。こうやって誤魔化すつもり?そうはいかないんだから。
「いい加減に……」
「卑怯なことをしたのは悪かった」
私の言葉に被せるように、大きな声を発したルーカスに、ピクリと肩を揺らした。
「でも、俺にはライラしかいないんだ。出会った時から、好きで好きで、どうしようもなくなるぐらい好きで。ライラが欲しくて仕方がないのに、呪いが邪魔をする。せめて、ライラが獣人だったらと、何度思ったことか。獣人同士なら、この狂おしいほどの想いをわかり合えるのに」
ルーカスの心からの叫びに、ぎゅっと胸が締め付けられる。確かに、彼は私の気を引こうと狡い真似をしたのかもしれない。でも、この彼の全身から発せられる想いは、全部真実だと、痛いほど伝わってくる。
「うっ……そ、それは……」
「あの時私、ジャレットに頼まれてお茶を届けようとしたの。でも、扉の外でそんな言葉を聞いてしまって、なんだか顔を合わせ辛くなって引き返したのよ。すっかり忘れてたけど、あなた、あの時私が外にいるってわかってたでしょ?だって、獣人さんなんだもの」
「……」
「わざと聞かせたのね?」
「……ごめん。確かに、ライラの存在に気付いていた。でも、嘘は一言も言っていない。姿を変えられない自分がすごく無力で、自信も持てなくて、それで、焦って……そ、それに、番が目の前にいるのに、呪いのかかった体では番うこともできなくて……」
「それは……でも、わざと聞かせて、揺さぶるようなことを……」
「ライラ!!」
再び、ガバリと抱き付かれてしまう。こうやって誤魔化すつもり?そうはいかないんだから。
「いい加減に……」
「卑怯なことをしたのは悪かった」
私の言葉に被せるように、大きな声を発したルーカスに、ピクリと肩を揺らした。
「でも、俺にはライラしかいないんだ。出会った時から、好きで好きで、どうしようもなくなるぐらい好きで。ライラが欲しくて仕方がないのに、呪いが邪魔をする。せめて、ライラが獣人だったらと、何度思ったことか。獣人同士なら、この狂おしいほどの想いをわかり合えるのに」
ルーカスの心からの叫びに、ぎゅっと胸が締め付けられる。確かに、彼は私の気を引こうと狡い真似をしたのかもしれない。でも、この彼の全身から発せられる想いは、全部真実だと、痛いほど伝わってくる。


