次に気がついたのはそばに居た桃子が制服の裾を
引っ張っていた時だ
桃子「お兄ちゃん…。」
もっと幼いであろう桃子も話の内容は分かっていないが、
不安な表情を浮かべる
父「そういう事だ。じゃあな…。」
母さんに背を向けた父の表情はもはや何の感情も
出していなかった
じいちゃん「貴様〜!どういう…。」
母「おじいさん!もういいんです!」
掴みかかろうとするじいちゃんを母さんが制する
すれ違い様、父は僕の方を見ると
「そういう訳だ俺はもう父親ではない。
そこにいる妹と母も俺には関係ない。
俺には、もう関わるな。」
そう吐き捨てた男の言葉を聞いた瞬間、
僕の中で何かが切れた音がした気がした
後ろでドアが閉まる音がする
はぁ?関係ないって何だよ…
僕達はもう家族じゃない?
じゃあ何で母さんと結婚なんかしたんだよ
自分しか考えられない奴が…
僕の体の奥で何かがふつふつと沸いて出てくる
僕は無我夢中で男の後を追いかけていった
母「※※!止めなさい!戻って…。」
後ろで引き止める母さんの声を無視し走り出す
病院から出ると雨はどしゃ降りになっており、
視界が増々悪くなっていた
白くボヤけた一点に黒いスーツの男の背中が見える
兄「ふざけんなクソ野郎ー!」
僕はその背中目掛けて殴りかかった
しかし拳は男に届くことはなく、何かによって遮られる
…「坊主、その辺にしときな。」
同じく黒スーツの男の人に押さえつけられていた
父だった男は僕に視線を向ける
父「全く、教育がなっていないな。誰の躾が悪いのか…。」
またしてもその言葉に頭に血がのぼる
兄「テメぇ!誰のせいだと思ってる!
お前だけは…お前だけは許さねぇからな!」
父「こんな子供に構ってる暇はない。行くぞ、秋真。」
秋真「はい、社長。」
秋真と呼ばれた男は僕の鳩尾に拳を入れ込んだ
僕は立っていられずその場に蹲る
父が車に乗ったのを確認すると秋真がポケットに
メモ用紙を入れてきた
秋真「坊主、何か相談があればここに連絡を入れろ。
信用ならんなら破り捨ててもいい…お前次第だ。」
そう言い残し、続いて秋真も車に乗り込んだ
車は発進し辺りは地面に打ち付けられた雨音だけが響き渡った
兄「くそ…。許さない…覚えてろよ!」
僕の顔には雨か涙かも分からない水滴で滴り落ちていく
〜兄視点 END〜
引っ張っていた時だ
桃子「お兄ちゃん…。」
もっと幼いであろう桃子も話の内容は分かっていないが、
不安な表情を浮かべる
父「そういう事だ。じゃあな…。」
母さんに背を向けた父の表情はもはや何の感情も
出していなかった
じいちゃん「貴様〜!どういう…。」
母「おじいさん!もういいんです!」
掴みかかろうとするじいちゃんを母さんが制する
すれ違い様、父は僕の方を見ると
「そういう訳だ俺はもう父親ではない。
そこにいる妹と母も俺には関係ない。
俺には、もう関わるな。」
そう吐き捨てた男の言葉を聞いた瞬間、
僕の中で何かが切れた音がした気がした
後ろでドアが閉まる音がする
はぁ?関係ないって何だよ…
僕達はもう家族じゃない?
じゃあ何で母さんと結婚なんかしたんだよ
自分しか考えられない奴が…
僕の体の奥で何かがふつふつと沸いて出てくる
僕は無我夢中で男の後を追いかけていった
母「※※!止めなさい!戻って…。」
後ろで引き止める母さんの声を無視し走り出す
病院から出ると雨はどしゃ降りになっており、
視界が増々悪くなっていた
白くボヤけた一点に黒いスーツの男の背中が見える
兄「ふざけんなクソ野郎ー!」
僕はその背中目掛けて殴りかかった
しかし拳は男に届くことはなく、何かによって遮られる
…「坊主、その辺にしときな。」
同じく黒スーツの男の人に押さえつけられていた
父だった男は僕に視線を向ける
父「全く、教育がなっていないな。誰の躾が悪いのか…。」
またしてもその言葉に頭に血がのぼる
兄「テメぇ!誰のせいだと思ってる!
お前だけは…お前だけは許さねぇからな!」
父「こんな子供に構ってる暇はない。行くぞ、秋真。」
秋真「はい、社長。」
秋真と呼ばれた男は僕の鳩尾に拳を入れ込んだ
僕は立っていられずその場に蹲る
父が車に乗ったのを確認すると秋真がポケットに
メモ用紙を入れてきた
秋真「坊主、何か相談があればここに連絡を入れろ。
信用ならんなら破り捨ててもいい…お前次第だ。」
そう言い残し、続いて秋真も車に乗り込んだ
車は発進し辺りは地面に打ち付けられた雨音だけが響き渡った
兄「くそ…。許さない…覚えてろよ!」
僕の顔には雨か涙かも分からない水滴で滴り落ちていく
〜兄視点 END〜



