光を掴んだその先に。─After story─





「ここって誰かのお家なの…?こんな広いマンション初めて見る…」



天鬼の屋敷とはまた違った広さだ。
和風のあの場所とは反対で、ここは洋風。

こんな高層マンション…絶対に家賃なんか桁違いなはず。



「俺個人の持家だ。誰かを連れてきたのはお前が初めてだぞ」


「え、そうなの!?別荘ってこと!?すごい……、」



だってロビーにはホテルマンみたいな人がいたし、本当に高級ホテルに来たのかと最初思ったくらいだ。

エレベーターだって何人はいれるの…って思うほどに広くて。


セレブ御用達とか、きっとそういうマンションのはず。



「お部屋、見てもいい…?」


「あぁ。滅多に使ってないからつまんねえだろうけどな」



大理石の玄関、長い廊下、トイレは完全に高級ホテル仕様。

ガラスドアとなっているシャワールームにジェット付きの大きなお風呂。



「こんなのドラマでも見たことないよっ!」



寝室として使うつもりだったのだろうベッドルームがあって。

そしてウォークインクローゼットという名の部屋。


景色が一望出来る広々としたリビングに、IH対応のアイランドキッチン。

そして書斎のような部屋がもうひとつ。



「すごっ!なにこれーー!!あっ、お隣さんに聞こえちゃう…」


「平気だ、防音になってる」


「本当に!?歌えるねっ!」


「…歌うのかよ」



こんなの使わないと勿体ない。

だって毎月家賃払ってるってことだよね…?



「ここは買った」


「買ったぁ!?!?」



やはり上には上がいるのだ。