……って、言われたからさぁ。

そりゃあ普通に答えちゃうじゃん。


陽太と2人だろうと思ってたから、この機会を利用して普段できないことをって思うじゃん。



「わぁ、お寿司って回るんですね…!!」


「もしかして桜子は初めて?」


「はいっ!」


「おー、さっすがお嬢様」



いや連れて来るなら言って!?!?
回転寿司とか言っちゃったよ私っ!!

一皿100円のお寿司にお嬢様連れてきちゃだめでしょ陽太っ!!


……てか、“桜子”って呼び捨てしてるところをもっと詳しく聞いてからかいたいのだけども。



「陽太っ!!桜子ちゃんも来るなら言ってよ!!お嬢様に回転寿司はないって…!!」


「だから本当にそれでいいのって聞いたじゃん俺。でも絃ちゃんがどうしてもって言うからさー」


「男のお前はそれでいいの!?彼女回転寿司でいいの!?」



4人席、向かい側に並んで座る2人は誰がどう見てもお似合いなルックスで。

そんな私の言葉にボッと顔を真っ赤にさせる桜子ちゃんとは、無事に私もメアドを交換して仲良くなっていた。



「あ、あのっ、私は天道さんの彼女じゃないので…!!」


「え、そうなの?付き合ってるんじゃないの…?はっはーん、もしかして陽太意外と奥手だったり~?」


「……絃ちゃん、はいこれどーぞ」



スッと差し出されたつぶ貝。

なんだ、気が利くところもあるじゃん…なんて思いつつ素直に受け取った。


でもこういうのは桜子ちゃんにやるべきなんじゃないの、天才ハッカー君よ。



「───っ!?!?かっらっ!!水っ!お茶っ!!!!」