真正面から、彼女を抱き締めて、俺は首の辺りに顔を埋め力なく気持ちを吐き出す。
「なんか、かっこわるいな、俺」
「そーでもないよ?悠太は、ずーっと格好いい」
「…ばかやろ。煽んなよ。今、色々ヤバイから」
これは、都合のいい夢か。
それとも…幻か。
そんな風に思っていると、くすくす、と笑った彼女が俺の顔を自分の首から引っぺがす。
「やいこー?」
「すき…色々回り道したけど…傷付いたりもしたけど…本当に、悠太が…好き」
「ばーか。そんなの、俺の方が上に決まってんだろ。ほんと、バカだな。弥生子は」
ちょん
何か言いたげな彼女の鼻を突いて、俺はそこにキスを落とす。
真っ赤になった彼女。
「…狡いなぁ…悠太は。全部持ってく。私の心も何もかも」
軽いキスから、じんわりと熱くなるキスへと変わっていく。
「もぅ、悠太ってば!キスっ…しつこっ…!」
「…いや?」
「……じゃないけど……」
「じゃあ、全部俺で上書きするから。覚悟しとけ」
「…なっ……っん…」
そうして、俺は腕の中で彼女が花のように染まっていくのを感じながら、こんな風な花散らしの雨の中でも、俺という傘で彼女を守り、そのキレイな花が散ってしまわないようにしていきたいと、そう思った…。



