そんなわけで、放課後、アニメショップに寄ることにした私とサエちゃん。

 二人で帰ろうと生徒玄関口まで来たところで、何だか体育館のほうからキャーキャーと声がすることに気づいた。

「どうしたんだろ、何だかさわがしいね」

「ああ」

 とサエちゃんが思い出したように言う。

「そういえば今日、バスケ部の練習試合があるとか言ってたような」

 バスケ部の……。

 心がザワザワと揺れる。

 もしかして、八乙女くんも出てるのかな?

「ふふふ、旦那が気になるんでしょ」

 意地悪そうな笑みをうかべるサエちゃん。

「だ、旦那じゃないっ」

 そもそも付き合ってすらないし!

「ね、ちょっと見に行って見よっか」

 サエちゃんが腕をグイッと引っ張る。

「い、いいよいいよ!」

「またまたぁ、若菜も気になるくせに!」

 そ、そりゃあ、少しは気になるけど……。

「でも、アニメショップはどうするの?」

「チラッと見るだけだから大丈夫」

 うーん、しょうがないなあ……。

 私は、サエちゃんに引きずられるようにして体育館の方へと向かった。