紗夜は咳き込んで、背中を丸める。 零斗は心配そうにしているが、オロオロするばかりで何もできない。 「っ、すぅ…、はぁぁ」 咳が落ち着いたのを見計らって、深呼吸する。 「っ、おい、それ…」 零斗が指さしたのは、口に当てていた紗夜の手だった。 そこには血がついていた。 口を拭うと、さらに血が付く。