「おねえ、ちゃん…」

「どうしたの?」

「わたし、私は…っ」

零斗が好きだったわけじゃないんだ。

雷くんと同じ立場にいる零斗に、雷くんの代わりをさせてただけなんだ。


そのことに今さらながら気づいて、今まで目を背けていた本当の自分の姿を見ようと、

無意識に部屋の隅に置いてある鏡の方を向く。