「まぁまぁ、そう怒らずに。〝まだ〟何もしてないでしょう?」

殺気立っているのに私が怯えなかったのが意外だったのか、龍牙たちは虚を突かれた顔を一瞬見せた後、更に怒りをぶつけてくる。

「お前、自分が何したか忘れたのか?」

それはそっちでしょ、零斗。

「てめぇのせいで葉月が傷ついたんだろうが」

傷ついたのはこっちだよ、涼太。

「消えろ」

じゃあ消してみろよ、遥。

「何様ですか」

お前らこそ何様だ、一樹。