でもこれ以上、私だって龍牙に失望したくない。

これ以上、ここで涙を見せることで葉月の思い通りになりたくない。


これ以上、これ以上は…


両手を握りしめ、倉庫を後にする。

十五歳の誕生日。

土砂降りの雨が私を打ち付けていた。

泣いてなんかない。

頬を流れる少し暖かい雫は…、空から降ってくる空の涙なんだから。