「そうだよ。紗夜姉ちゃんは何もしてない。何かの間違いだよ」

「なに言ってる。あいつがやったに決まってるだろ」

「傷つけられた葉月本人が言ってるんだ」

「でも…っ」

晶と桃が庇ってくれるが、零斗たちは聞く耳を持たない。

「…もういいよ、わかった」

「紗夜…」

「紗夜姉ちゃん…」

ずっと零斗たちは葉月にべったりだったくせに、いつ私がみんなの目を盗んで葉月をいじめることができるというのか。

よく考えれば分かるはずなのに。