下っ端の悲痛な訴えに、零斗は堪えるようにきつく目を閉じる。

助けたい、けど…。

腕の中で、苦しそうに息を吐く紗夜を見つめる。

さっきまで、nightとして堂々と立っていた人とは思えないほど弱々しい。

「クソ…」


紗夜が自分の意思で、助けてと言わない限りは…。

「無力でごめん…」