ーーあの日の最悪な誕生日から三年が経った。

高校三年生になった私は、最近体の調子が悪く、日常生活にも支障が出てきたので病院にやってきた。

「余命はあと二ヶ月程だと思われます」

レントゲン写真を見るため薄暗くなった部屋で、目の前に座る医者が深刻そうに告げる。

重苦しい空気とは裏腹に、病院嫌いが祟った結果がこれかと、妙に納得している自分がいた。

「…そうですか」

冷静な声で答えたのが意外だったのか、医者はメガネの奥で目を見開く。

「入院はしないので、薬だけください」


それだけ言うと、相手が引き止める間もなく立ち上がる。