膝に顔を埋める。

みんなの顔を見ることができない。

声だけで、泣いているのが分かるから。

「紗夜ッ」

「…私は、もう長くないんだ。ここに戻ってくる少し前に、余命宣告を受けた」

「うそ、だろ?なんでだよっ」

「残り二ヶ月の命だって。ここに来たのは一ヶ月と少し前だから、私の命は本当にあと少しだね」

「ッ、なんで、そんな大事なこと黙ってたんだよッ」