ニキは顔を上げ、意味が分からないと首を傾げる。
「私を助けようとしての行動だった。
関係ない人を傷つけてしまったけど、その根底にあるのは無実の私のために復讐しようという正義感」
「桜城のせいじゃないっ。俺が勝手にやったんだ、全部俺の責任だっ。
お前のためだと言いながら、俺は、窮屈になった生活のストレスを他人にぶつけてたんだ」
ニキは自分の弱さを責める。
「ニキくん、私を恩人だなんて思わないで。もう、恩を返さなきゃという呪縛から解放されて」
「解放…」
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