俺を睨み上げながら、ニキは叫ぶ。

ニキは元々、俺たちと同じでこの学校に通っていた。

だが、途中で転校したという所までしか調べていなかったので、深い事情までは知らない。

「俺の家は裕福だったが、親父が事業に失敗して生活は厳しくなった。

その話がクラス中に広まって、クラスの奴らは手の平を返してすぐに俺を除け者にした」

ニキは当時のことを思い出しているのか、悔しそうに唇を噛む。


「でもな、あいつだけは…。桜城だけは俺に普通に接してくれたんだ。

優しく笑いかけてくれた」