「ちょっと顔がいいからってチヤホヤされて。調子に乗りやがって」

「…確かにお前の言う通りかもな」

簡単に騙され、無実の紗夜を追い出して。

自分たちは特別だと、無意識に思ってしまっていた。

いや、本当は自覚していたのかもしれない。

一番強いのだから、一番偉いのだから、何をしても許されるだろうと。

その考えの甘さのせいで、一番大切だった人を傷つけた。


「しかも…、お前らはあいつを追い出しただろっ」

「あいつって…」

「桜城 紗夜のことだよっ」