「下っ端は役に立たねぇからな。俺たちが全員叩きのめしてやるよ」

「俺たちは不意を突かれるなんてヘマはしねぇ」


葉月は教室の隅で、悔しそうに親指の爪を噛んでいる。

その顔は、今まで見てきた顔とは全くの別人だった。

(やっぱり、俺たちは騙されてたんだな)

そう改めて思い知らされた。

「よそ見してんじゃねぇっ」