さぞ怯えてパニックになっているだろうと思っていたのに。

「待ってたぞ。葉月、怪鬼」

中にいたのは龍牙のメンバーだけ、だったのだ。

しかも、机や椅子もすべて隅に片付けられている。

「おいっ、待ってたってどういうことだよっ」

「お前、裏切ってたのか!?」

「ち、ちがっ、私じゃないって」


計画がバレていたらしいことに気づいて、怪鬼たちは葉月が龍牙の内通者(スパイ)だったのではないかと疑う。

だが、この状況を理解できていないのは葉月だって同じなのだ。

「葉月はお前らを裏切ったわけじゃない」

涼太は腕を組み、冷静に怪鬼と葉月を見据える。