記憶ゲーム

気がつけば、私は少女の後を追いかけて歩いていた。


少女が右へ曲がれば右へ。


左へ曲がれば左へ。


直進なら直進。


ツインテールを追いかけて足を進めるうちに、狭い路地に入り込んだ。


ひと気がなく、静かな路地に私と少女の足音が響く。


そんな中近い距離で歩いていたから、少女が気がついて振り向いた。


立ち止まって首をかしげ「おじさん、誰?」と聞いてくる。


咄嗟に返事ができなかった。


見れば見るほどアキナにそっくりだと思った。


いや、アキナそのものだ。


やっと見つけることができたのだ。


喜びが胸に浮かんできて止めることができなかった。


私は少女に駆け寄り、その手を強く握り締めた。


「アキナ! ずっとずっと探してたんだよ!」


興奮気味に言うと、少女は引きつった表情で後ずさりをした。


気のせいだと思うが、怖がっているのようにも見えた。


「さぁ、家に帰ろうアキナ」


手を引っ張り歩き出そうとするが、アキナは足を踏ん張って左右に首を振った。


「あたしアキナじゃない。おじさん誰?」


アキナの目には明らかにおびえの色が浮かんでいた。