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給食を食べ終えた僕はトイレに来ていた。


友達もいなくて、昼休憩だからといってとくにやることもない。


ゆっくりと用を足して手を洗っていると、啓治と大夢がトイレに入ってきた。


僕を見るなり「あ」と声を上げて足を止める。


こんなところで2人に会うなんて最悪だ。


他に生徒がいれば話は別だが、タイミング悪く今トイレには僕しかいない。


自分の不運をのろいながら2人の横を通り過ぎようとする。


しかし、それは当然のようにさえぎられた。


啓治が僕の腕を掴んだのだ。


「な、なに?」


背中に冷や汗が流れていく。


トイレの冷たい床から腕が伸びてきて、ガッチリと僕の足首を掴んでいるような気がする。


「面白いことしよーぜ」


啓治がゲームを取り出してそう言った。


「お、面白いことって?」


わざとわからないフリをした。


きっと、また自分の記憶を読まれるのだ。


今度は何年生のときの記憶だろう。