世界No.1暴走族・天海朧月 下


「俺言ったじゃん。泣きたい時に泣けばいいって。みんなの前では無理してても、俺の前では全部見せていいんだよ。そのために一緒にいるんじゃん?」

七聖は目を見開くと、目を伏せた。

いつになったら……全部、預けてくれる?

七聖
「………の」


「え?」

俺の袖をギュッと握って、俺を見た。

七聖
「お兄ちゃん、がっ……生きてるの……!」

…………はっ?

お兄ちゃんって……は、疾風さん?


「白狐が殺したって……」

七聖
「罪を犯した他の族の人だって……生きて、るんだよっ……この世界のどこかにいるのっ」