世界No.1暴走族・天海朧月 下

私は立ち上がって、剣さんについていった。

連れてかれたのは、庭だった。


「疾風は、俺にあるお願いをしてきたんだよ」


「お願い……ですか?」


「そ。妹と弟に何かあったら頼むって」

え……。


「たぶん、分かってたんだろうなぁ。白狐が自分を狙ってることくらい。天王の総長だし」

私と琥太郎に何かあったら?

何かって……なに?


「でも七聖ちゃん、実を言うと疾風はまだ生きてるんだよ」