光を掴んだその先に。





「降りろ、せっかく間に合ってんのに遅刻してえのか」



助手席のドアが開いた。


うわっ……眩しい…。

太陽っていうか、もう那岐という存在から後光が射しているように見える。



「終わるの16時だったな、間に合うよう迎えに来る。
もし俺が来れなかったときは俊吾か代わりに来させるから待っとけ」


「えっ、友達とファミレスは…」


「茶を立てれるようになってから言うんだな」


「…はーい……わっ!」



ポスッと、スクールバッグが軽く投げられて何とかキャッチ。

そんなことをしていれば、夏休み明けだとしても私を知るクラスメイトたちはすぐに気づいた。



「えっ、絃!?!?」


「は!?あんた彼氏できたの!?てか大人だし!!援交でもしたの!?」


「っんなわけないじゃん!!!」



あっ、しまったつい大声で叫んでしまった…。

失礼な爆弾を投下してきたのは間違いなく優花だ、絶対そうだ。


てか援交って………そんなわけあるか!!



「じゃあ誰?施設のお兄さんとか!?」


「それもちがうっ!えっと、うーんと、」



なんて答えればいいの。

おじいちゃんが極道の……なんて言えるはずがない。


うーんうーんと困っていると、隣の男は「執事とでも言っとけ」と面倒そうに放った。

なんて声は明莉と優花にはもちろん聞こえていたらしく。



「「執事ぃ!?」」



あぁ、どうなっちゃうの私のスクールライフ…。