「まったくと言っていいほど統一性がねえな」


「…へへ、こればっかりは自分でも思う」



それは茶道より絶望的かもしれない…と、ささった花を見て思った。


華道は想像していたよりもずっとずっと難しくて。

花によって意味があったり、さし方によって印象がガラッと変わったり。

長い短い、大きい小さい、色、すべてのバランスをひとつのテーマに寄り添わせる。



「お題が難しすぎたか」


「夏ってざっくりしてるから、中々まとまらなくて…」


「なら好きなようにやってみたらどうだ」



うーん、それもそれで迷うんだよなぁ…。

見本として置かれている彼の作品は、やっぱりどこからどう見てもプロの腕前。


なんなの、この人って超人なの…?

天は二物を与えないって言うけど……与えまくり過ぎてない??



「あははっ、見て見て那岐」



これはあまり上手くいかなかった。

好きなお題でやってみたものの、どうにも思ったようにはならない。


もっと綺麗に、孤高で、完璧に仕上げたかったのに。



「…中々いいんじゃねえか」


「えっほんと!?」


「あぁ、今までで一番だろ」