白馬に乗った王子様、どうか私の前にお停まりください。

あなた様が来ると分かっていたから、私は朝からこんなにめかし込んでしまったの。


こんなドレス着たことないし、こんなに高いヒールだって。



『すまないね。僕は君のようなガサツな女の子、あまり好きじゃないんだ』



そのまま白馬の王子様はパカラパカラと目の前を通りすぎる。


えっ!?ちょっと待って!!!
あんたまでそんなこと言ってくるの!?

どいつもこいつもガサツガサツって、私だって好きでこんな性格じゃないっての!!


それに見方によっては男勝りで勇敢で頼もしいでしょーがっ!!



『おーきーてーー!』


『いーとーお姉ちゃーん!!』



あぁもう!今はそれどころじゃないのに!

王子様が行ってしまう。
私はずっとずっとこうして待ってたというのに。



『ねぇもう少しで8時になっちゃうよ?』



だから待ってってば!!


………ん?

はちじ?
…はち…じ…??


8時………?