「いた。……莉乃、俺達、引っ越すことになったんだ」

 長男くんのその言葉に、頭が真っ白になった。

「えっ?」

「父さんの仕事で……必ず、大きくなったらみんなで迎えにくるだから、今日で会えるのは最後だ」

「えっ……っぅ……」

「泣かないでりの……」

 次男くんが、よしよしと頭を撫でてくれている。

「りのぉっ……」

 ギュッ。

 末っ子くんが、泣きながら私に抱きついてくる。

 あめくんは、姿を消した。