「じゃあ食べてから行こうか」

「いいの……?」

「いいよ、じゃあ行こっか」

「ありがとうっ……」

 ギュッと抱きついてきた華奢な小さなからだから、愛しさがこれでもかというほど溢れた。

 ……小さい頃、莉乃と会ってたから、夢を見つけられた。

 蓮も湊も留も樹も雅も、僕なんかじゃ手につかないぐらい、すごい存在だったから、もう負け確だった。だからこそ、兄弟達みたいになりたくて、俳優を目指した。