それも、きっと周くん、兄弟達のおかげだ。

「抱っこして行こっか?」

「悪いよ、歩くっ……」

「じゃあ、手、繋ごう?」

「いいの?」

「うん、ほら」

「莉乃ー!!おはよー!!」

「わぁ!湊お兄ちゃん!!」

「ごめんね、いまダイニングルームの側に——」

 あ、あれ?

 廊下の奥から見えるのは、美人さん。

「あんたが莉乃ね!!!」

「えっ……?」

「なんだよいまさら、俺の彼女に近づくなブス!」

「あ、周くんっ……?」

 きゅ、急に悪口っ……。