結局、お昼も一緒に食べた。
その後に買い物に付き合ったりして帰るときには夕方になっていた。
不思議なことに? いや、嬉しいことに、の方が正しいか、、、
彼女の方がおれと一緒にいたいように感じた。
「あー、楽しかったよ」
あっという間に時間は過ぎた。
ずーっと彼女の顔ばかり見てた気がする。ま、当然か。
「わたしも楽しかったです」
などとたわいない話をしながら最寄り駅に向かった。
構内に入ると彼女が、
「ここに一緒に座りましょう?」
隣の席を指差していた。
「あ、ありがとうね」
かなり距離が近いことに緊張していると、彼女が唐突に話した。
「この駅で昨日、飛び込み自殺があったらしいですよ」
身体がビクっと反応する。
あれってこんな近くの駅だったのか。
でもニュースにはなってなかったはずだよな。
おれはもちろん、知らないふり。
「へー、そうだったんだ」
「はい、振られたらしいです。それでヘンになったみたい。かわいそうですよね?」
「そ、そうなんだ。かわいそうだね」
「たしか、ちょうどこのくらいの時間です」
おれはスマホで昨日の着信履歴をこっそり見た。
着信履歴に時間が残っている。今から10分後か、、、
「もしあなたがわたしと付き合って、わたしと別れたら死にたいって思います?」
もし、でなくてまじめに付き合いたい!
でも、別れたら死ぬ、それはないな。
とりあえず考えるふりをしてごまかしていると、
「それくらい本気で付き合ってくれますか?」
とさらに言ってきた。
え?
これって、告白されてる?
流れ的には間違いない。
だったら、話は別。
考えたふりなどせずに、即答すべきだ。
「そんなの当たり前です。付き合うときはいつも本気、命かけてますから!」
ちょっと言い過ぎたか。
でも、こんな美人をゲットできるならこれくらいストレートに言わないとムリだろ。
「なんだか、嬉しい言葉ですね。元カノさんが別れたくなかった気持ちわかるかも」
と言って彼女が照れた顔で下を向いたとき、ふと後ろから声がした。
「久しぶりー、ってこともないか。でも、やっと会えたぁ」
振り返った先にいたのは、元カノだった。
「ねぇ、それって新しい彼女さん?」
彼女は下を向いたまま動かない。
ただ、話し声が聞こえているのは明らか。
この状況はとってもまずいやつ。
「きれいな子だねー、そりゃわたしよりそっちか」
下向いてるから顔は見えないだろ?
嫌味かい。つか、声がデカいって。
彼女が顔を上げた。
さっきまでの笑顔はなく、真顔だった。
きっと怒ってるに違いない。
でも、おれには言い訳が思いつかなかった。
彼女が口を開いた。
「なら、わたしと付き合ってくれませんか?」
予想外の言葉に一瞬、驚いた。
ただ、少し頭の中を整理するとすべて理解した。
さっきのやり取りは聞こえてない。
そして、元カノの姿も見えていない。
それだけのこと。
やっぱりここで死んだのか、こいつ。
じゃ、ここにいるのはいわゆる幽霊ってやつだ。
元カノが話す。
「これからも、ずっとあなたを見てるねー、もう迷惑かけないんだしさ」
「ご、ごめんな」
ふと口から出たセリフ。
自殺した元カノに会ったんだし、謝るのは当たり前と思った。
ただ、元カノは実際にはそこにいない。
この状況で、彼女はその言葉を聞いた。
彼女は震えそうな声で、
「そうですよね、わたしなんかタイプじゃないですよね。すみません」
普通はそう取ってしまう。
おれは慌てて否定した。
「いえいえ、ぜんぜん違いますって!」
彼女は今にも泣き出しそうな顔で、こっちを見つめている。
元カノがささやく。
「あらら、大変だー、そのままだと。ちゃんと態度で示さないとさ」
たしかに元カノの言う通りだった。
その後に買い物に付き合ったりして帰るときには夕方になっていた。
不思議なことに? いや、嬉しいことに、の方が正しいか、、、
彼女の方がおれと一緒にいたいように感じた。
「あー、楽しかったよ」
あっという間に時間は過ぎた。
ずーっと彼女の顔ばかり見てた気がする。ま、当然か。
「わたしも楽しかったです」
などとたわいない話をしながら最寄り駅に向かった。
構内に入ると彼女が、
「ここに一緒に座りましょう?」
隣の席を指差していた。
「あ、ありがとうね」
かなり距離が近いことに緊張していると、彼女が唐突に話した。
「この駅で昨日、飛び込み自殺があったらしいですよ」
身体がビクっと反応する。
あれってこんな近くの駅だったのか。
でもニュースにはなってなかったはずだよな。
おれはもちろん、知らないふり。
「へー、そうだったんだ」
「はい、振られたらしいです。それでヘンになったみたい。かわいそうですよね?」
「そ、そうなんだ。かわいそうだね」
「たしか、ちょうどこのくらいの時間です」
おれはスマホで昨日の着信履歴をこっそり見た。
着信履歴に時間が残っている。今から10分後か、、、
「もしあなたがわたしと付き合って、わたしと別れたら死にたいって思います?」
もし、でなくてまじめに付き合いたい!
でも、別れたら死ぬ、それはないな。
とりあえず考えるふりをしてごまかしていると、
「それくらい本気で付き合ってくれますか?」
とさらに言ってきた。
え?
これって、告白されてる?
流れ的には間違いない。
だったら、話は別。
考えたふりなどせずに、即答すべきだ。
「そんなの当たり前です。付き合うときはいつも本気、命かけてますから!」
ちょっと言い過ぎたか。
でも、こんな美人をゲットできるならこれくらいストレートに言わないとムリだろ。
「なんだか、嬉しい言葉ですね。元カノさんが別れたくなかった気持ちわかるかも」
と言って彼女が照れた顔で下を向いたとき、ふと後ろから声がした。
「久しぶりー、ってこともないか。でも、やっと会えたぁ」
振り返った先にいたのは、元カノだった。
「ねぇ、それって新しい彼女さん?」
彼女は下を向いたまま動かない。
ただ、話し声が聞こえているのは明らか。
この状況はとってもまずいやつ。
「きれいな子だねー、そりゃわたしよりそっちか」
下向いてるから顔は見えないだろ?
嫌味かい。つか、声がデカいって。
彼女が顔を上げた。
さっきまでの笑顔はなく、真顔だった。
きっと怒ってるに違いない。
でも、おれには言い訳が思いつかなかった。
彼女が口を開いた。
「なら、わたしと付き合ってくれませんか?」
予想外の言葉に一瞬、驚いた。
ただ、少し頭の中を整理するとすべて理解した。
さっきのやり取りは聞こえてない。
そして、元カノの姿も見えていない。
それだけのこと。
やっぱりここで死んだのか、こいつ。
じゃ、ここにいるのはいわゆる幽霊ってやつだ。
元カノが話す。
「これからも、ずっとあなたを見てるねー、もう迷惑かけないんだしさ」
「ご、ごめんな」
ふと口から出たセリフ。
自殺した元カノに会ったんだし、謝るのは当たり前と思った。
ただ、元カノは実際にはそこにいない。
この状況で、彼女はその言葉を聞いた。
彼女は震えそうな声で、
「そうですよね、わたしなんかタイプじゃないですよね。すみません」
普通はそう取ってしまう。
おれは慌てて否定した。
「いえいえ、ぜんぜん違いますって!」
彼女は今にも泣き出しそうな顔で、こっちを見つめている。
元カノがささやく。
「あらら、大変だー、そのままだと。ちゃんと態度で示さないとさ」
たしかに元カノの言う通りだった。