✬樹side✬

まだかな……。

俺は門を出て、駅前に来ていた。

ある人物と待ち合わせしてるからな。

誰かというと……。


「あっ、樹くーん!」


「あ、雫」

日向の妹である、雫のこと。


「もう!お兄ちゃんったらまた予定だよ」


「あー、下っ端たちにケンカ教えてるからしょうがないって。な」

俺は日向の代わりに迎えに来てあげた。

雫ちゃんは中1で、訳あって施設にいる。

これから寮に戻るつもり。