身代わりとして隣国の王弟殿下に嫁いだら、即バレしたのに処刑どころか溺愛されています

「なんで、か。一言で言えば、都合がいい」

「都合……?」

「そうだ。そもそも、俺は結婚する気なんてさらさらなかったんだ。持ち込まれる縁談も、全て断ってきた。時間の無駄だしな。
しかし、今回の話だけは、どう足掻いても断りきれなかった。エリオットに頭を下げられたしな」

やっぱり、結婚に前向きじゃなかったんだ。
っていうか、陛下が頭を下げてまでお願いするって……いざとなったら、命令してしまえば済むことじゃないの?


「ドルガの動向を考えれば、イリアムがサンザラに介入する必要がある。でも、そこには確固たる理由が必要だ。ヘタをすれば、無用な争いに発展しかねない。
ただ同盟を組むぐらいのものではなくて、切っても切れないぐらいの理由。それがこの結婚だった」

ドルガって、確かサンザラと隣接する国で、侵略しようとしている国だったはず。

「でしたら、サンザラを取り込むとかすればいいのでは?」

「少しはこの辺りのことを知っているのか?」

「あなたとの結婚までに、最低限の知識を身に付けておくようにって、毎日勉強漬けだもの」