身代わりとして隣国の王弟殿下に嫁いだら、即バレしたのに処刑どころか溺愛されています

「ちょ、ちょっと落ち着いてください。あ、怪しい者ではありませんから」

「怪しさの塊でしかないおまえが言っても、なんの説得力もない」

うぅ……全くもって、その通りなのですが。


「とりあえず、事情を聞かせてもらおうか」

よ、よかった。話は聞いてもらえそうだ。
もうこうなったら、全て包み隠さず話す覚悟だ。イアン達には悪いけど、ここでみすみす命を差し出すわけにはいかない。


「あ、ありえない話に聞こえるかもしれませんが、とりあえず聞いてください」

エドワードは脇にあった椅子を引き寄せて座ると、長い足を組んで〝続けろ〟というように手を振った。右手を剣にかけた時はどうなることかと肝を冷やしたけれど、こうして聞く姿勢を見せてくれるあたり、それほど怖い人ではないのかもしれない。


「私の名前は、月森さや香と申します。おそらくですが、この世界ではない、どこか違う……異世界から来た、と思います」


私の突拍子もない話に、エドワードはピクリと眉を上げた。けれど、なにも口を挟まないところを見ると、信じてはいないものの、もう少し聞いてくれるようだ。