身代わりとして隣国の王弟殿下に嫁いだら、即バレしたのに処刑どころか溺愛されています

「無言は肯定と捉える。おまえは誰だ?返答しだいでは、今すぐ拘束する。場合によっては……」


そう言いながら右手をかけているのは……剣、だよね?
この人、本気だ。本気でヤるって、その鋭い目が語ってる。


かと言って、ここで本当のことを明かしてもいいのか?

ああ……
イアン、ダーラ。
なにもする前から、ニセモノだってバレてるんですけど……
なにが〝大丈夫〟なのよ。


もうここは、腹を括るしかない。まずは自分の身の安全確保だ。


「しょ、正直にお話しするので、お、怒らないで聞いてください。わ、私の、名前は……」

ゴクリと喉を鳴らして覚悟を決めると、本当の名前を告げた。


「月森さや香といいます」

名乗った途端、エドワードはますます顔をしかめた。おまけに、右手に力まで込めて。本当のことを言っているのに、殺されそうになってるって理不尽すぎる。