身代わりとして隣国の王弟殿下に嫁いだら、即バレしたのに処刑どころか溺愛されています

「う……ん……」

人が気持ちよく寝ているというのに、なにかが頬をくすぐってくる。それを寝ぼけながらも手で払う。
次は肩に触れられる。

もう、ゆっくり寝させてよ!!
苛立ち混じりで、もう一度払う。

「……い……お……」

もう、なによ!!静かにしてよ。
思わず眉間に皺を寄せた。そのまま寝返りを打って、その鬱陶しい〝なにか〟からなんとか逃れようと試みる。


「おい、襲うぞ」

「ひいっ……んん……」


突然、耳元で大きな声を出されて、悲鳴を上げそうになる。けれど、すかさず口を塞がれてしまい、くぐもった声になる。


「大声を出すな」

男の人の声だ。すぐに何かをしてくる気配はなさそうなことに、なんとか心を落ち着かせる。
とりあえず、大声は出さないとアピールをして、私の口を塞ぐ、その大きな手をどけてもらった。

振り向けば、不機嫌そうに私を睨む美男子がベッド脇にしゃがみ込んでいた。