身代わりとして隣国の王弟殿下に嫁いだら、即バレしたのに処刑どころか溺愛されています

「えっと……モテ期?」

よくわからないけれど、懐かれているらしい。


『歌ってよ』

「え?」

この場にいるのは私だけだと思っていたけれど、少し高めの小さな声が聞こえた気がして、あたりを見回した。
でも、ここにいるのは少し離れて立つレスターだけ。彼があんな可愛らしい声を出すとは思えない。

というより、動物に囲まれた私を、驚いた様子で見ている。ただ、凶暴な種類でもないから、今すぐ手を出すべきかどうか悩み、そわそわしているみたい。とりあえず、視線で大丈夫だと伝えると、一つ頷いて身を落ち着けた。


『ねえ、歌ってよ』

すごく近くで聞こえた声に、半信半疑で猫に視線を向けると、バチっと合った。

「も、もしかして……私が助けた猫、だったりする?」

まさかねえ……とは思いつつ尋ねると、その猫はコクリと頷いた。