身代わりとして隣国の王弟殿下に嫁いだら、即バレしたのに処刑どころか溺愛されています

座っても、いいわよね?
ドレスが汚れないように、持ってきたシートを敷くと、そっと腰を下ろした。後ろに手をつくと、体を軽く伸ばして目を閉じた。

すっごく心地良くて、思わず小声で歌を口ずさんだ。オペラなんて仰々しいものじゃなくて、孤児院で披露したような歌。

このまま目を開けたら、元の世界にもどっていないだろうか……



ふと、伸ばした足に重みを感じて、そっと目を開けてみた。

「嘘……」

重みの正体はリスだった。興味津々な様子で、私を凝視してくる。

「ペット……だったりする?」

これほど人にな懐いているんだもの。もしかして、陛下の子ども達が飼っているのかも。

呑気にそんなことを考えていたけれど、ハッと気付けば他にもいた。私の周りには、数羽の鳥がまるで取り囲むようにしている。
おまけに遅れてやってきた猫が、今まさにリスを避けながら私によじ登り、何度か踏み鳴らして場所を定めると、箱触りをしてうっとりと目を閉じた。