身代わりとして隣国の王弟殿下に嫁いだら、即バレしたのに処刑どころか溺愛されています

「は、はい。もうすっかりよくなりました。ご心配くださって、ありがとうございます」

「なんでも、記憶が不確かなことがあったとか?」

ちょっと、ちょっと。この設定は深く詰めてないんだけど。


「そ、そうですね。に、日常生活に、それほど支障はありませんが……たぶん……」


いや。知らないことだらけのこの世界。支障はありまくりだ。


「忘れてしまっていることが、たまに……ちらほら……」


「まあ、大変でしたのね。お元気になられてよかった」

心底安堵した顔で、私の回復を喜んでくれるグロリアに、チクリと良心が痛む。本当に申し訳ない。

「あ、ありがとうございます」


表面上はにこやかなやりとりをしているけれど、内心はとにかく落ち着かない。

とりあえず、陛下側が話を振ってくれたおかげで、夕食会はなんとか乗り切れた。2人の子ども達とも、少しだけ打ち解けられた。子ども達の向けてくれた笑顔は、久しぶりの癒しだった。