身代わりとして隣国の王弟殿下に嫁いだら、即バレしたのに処刑どころか溺愛されています

「無理だから……」

力無くこぼした言葉に、ダーラは申し訳なさそうな顔をする。


そもそも、女性の部屋に夫以外の男性が常駐できるはずもなく、イアンは自分に割り当てられた部屋に終始いるというし、レスターなんて、問題外。クラリッサに至っては、私の部屋にいる気もなさそう。きっと好かれていないんだと思う。


「もろもろの指導はクラリッサが担当しますが、時間の許す限り、私も伺いますから」

ってイアンは言うけれど、そういうことじゃない。話が違うっていう私の抗議は正当なはずだ。 


「お部屋を出られる時は、レスターが護衛につく許可もいただいてますから」

なんの慰めにもならない言葉に、思わずイアンを睨んでしまう。


サンザラの人達って、本当に楽観的すぎない?見切り発車が多すぎる。
きっとそれも国民性なんだろうけれど、その言葉で全てが許されるなんてはずがない。命のかかったこの局面で、そののんびりとした国民性は発揮して欲しくない。

ただ一人。クラリッサだけは少し異色で、おかまいなしに、着いて早々休憩の時間もくれないまま、私にあれやこれやと教えはじめた。