身代わりとして隣国の王弟殿下に嫁いだら、即バレしたのに処刑どころか溺愛されています

「う、歌うことが、好きです」

言った直後にハッとする。
この世界の歌なんて、一曲も知らない。

「あ、あの……でも、い、異国の歌ですけど……」

「ほおう」

なんとも優しげな声音の〝ほおう〟だけど、今の私には恐怖の声にしか聞こえない。
お願い。これで許して……


なにやら思案し出したエリオットを、祈るような気持ちで見つめた。お願いだから、これ以上なにも言わないで。


「ならば、孤児院なんかを訪れるといい。あそこはいつも人手不足だ。子ども達はいつだって大人の愛を求めている。ソフィア嬢が歌を聴かせれば、子ども達も喜ぶだろう」

それぐらいなら、これまでやってきたことと大差ない。私にもできそうだ。

「わかりました」