身代わりとして隣国の王弟殿下に嫁いだら、即バレしたのに処刑どころか溺愛されています

だめだ。話が堂々巡りになるだけみたい。

ここで逃げたとしても、待っているのは〝死〟。逃げずに進んだとしても、やっぱり〝死〟が待ってるような気がするんだけど……
どっちを向いても、お先真っ暗じゃないか。


「色気どころか、私、見ての通り女らしさなんて皆無ですよ。すぐに口調は乱れちゃうし、お淑やかのかけらもありません」

言ってて虚しくなるけれど、事実だから仕方がない。

「そ、そこは演じてもらうしかありません。ソフィア様は、お美しいだけではなくて、淑女中の淑女と言われるお方です」

淑女とはなんぞや……
当然ながら、演技力なんて持ち合わせてないし。


「無理です」

「私達も全力でサポートします。常に一緒におりますから」

イアンに続いて、ダーラも必死に説得してくる。


わかってる。
結局〝死〟が待ってるというのなら、少しでも先延ばしできて、少しでもマシな死に方ができる道を探るべきだ。

そうだとすると、ここはやっぱり、ソフィア様になりきる方がベストだ。たぶん。